なんだかすごくわかる気がするよ。『いつか眠りにつく前に』2月23日公開。死期が迫り、床に伏すアン。2人の娘を前に、混乱した意識の中で「私がバディを殺した」という謎の言葉をこぼす。それはかつて、まだ若かりしアンが遭遇した悲恋とも呼ぶべきできごとだった。
いつか眠りにつく前に 最初は、現在と回想の入れ替わりがあんまりにも忙しないのが気に入らなかったけれど、その混濁っぷりが落ち着いてからはしっとりと感情移入。話の筋自体には特にどうっていうことはない。けれど、アンと2人の娘という、3人の女性の人生における、少しの後悔や迷いというテーマには感じ入る物がありました。 人生てのはずーっと選択と葛藤を迫られ続けるもので、どうにもならないなりにそれぞれ最善を尽くしていくもの。だけど、それをあとから振り返ったとき、どれだけの人が「自分の歩んできた道は正しかった」と言い切れるんだろう。ああすればよかったのでは? もっとうまくできたのでは? そんな未練に似た感情を誰もが持っているはず。この映画は完全ではいられない人生と、それを思う時の普遍的な感情をやさしく肯定し、そっと背中を撫でそして肩を叩いてくれるんです。完璧じゃないとしても、決して間違いなんかじゃないんだ、と。 クレア・デインズはどうしても好きになれず、やっぱりなんだか腹が立つんだけど、その他のキャストはとっても素敵。中でもメリル・ストリープ演じるライラは短いシーンの中で断然輝いてました。アンとライラがベッドで寄り添うシーンは、女性にはすごく響くのでは(わかんないけど)。 心のつかえがスーっと取れるような、良い作風でした。
by april_foop
| 2008-01-13 00:00
| 映像
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