出せなかったレビューの年末大放出その3。
今年の6月くらいに公開された作品『プルートで朝食を』。アイルランド生まれの捨て子であった青年は性同一障害。母を捜してロンドンに渡るなどするその生き様を映し出す。すでにDVDも出てますね。 プルートで朝食を 実は観たのはつい最近で、『麦の穂をゆらす風』のキリアン・マーフィーが気に入ったので、こっちも観たくなったの。松子か?ってくらい転落的な生活を送ったキトゥン。彼(彼女)はその内面を決して吐き出さない。むしろどんな窮地でも甘言やうわ言のようなものを口にするばかり。それって、まさに愛情に飢えた子供時代の影響。ってそう気付かされるのはクライマックスまできてからなんだけど。 印象的だったのは、国境の騎士のくだり。「通り過ぎた過去と、進むべき未来の間を走っている」というセリフはかなりツボ。加えてこのシーン、友達が幻覚を観るんだけど、それらが彼らの背景を語ってる。ぶつ切りのエピソードを紡ぐスタイルの中で光ったシークエンスでした。 IRAとか政情的な背景が必要だったのかどうかよくわからないし、深く入り込むような作品じゃないけど、それなりに楽しめた作品でしたわ。キリアン君には今後も注目しときます。
by april_foop
| 2006-12-31 00:00
| 映像
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