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感想/美しき凶器(文庫)
感想/美しき凶器(文庫)_d0055469_2274577.gif『美しき凶器』by東野圭吾。

うん、もろターミネーター。かつてドーピングした事実を消すために、過去を知る科学者を殺害した元トップアスリート4人vsその科学者によって人工的に破壊的運動能力を授けられた超人娘。唯一絶対の存在を失った恨みを晴らすために殺人マシンと化した娘による大アクションストーリーで、非ミステリ作品。スポーツ科学と言う点で『鳥人計画』と類似性アリ。

特にトリックやギミックはなく、ひたすら殺人マシンとターゲットの追いかけっこ。常識を超越した行動が面白いといえば面白い。ちなみにモデルにしてるのは、ジャッキー・ジョイナー・カーシーだって。懐かし! ほんとスポーツがお好きなのね、センセってば。

ラストにこじつけ感があって、いまいちしっくり来なかったな。もうちょっと4人の選手時代をクローズアップして、ドーピングに踏み切る揺れをサブストーリートして挿入するとキャラが立って深みが出たかも。4者4様に出来ただろうし。あと、娘がどういうバックグラウンドを持ってるのかも触れてほしかったかな。そしたら"美しき凶器"の悲劇性に胸を痛めることができ、ラストシーンにも必然性が出てきたと思うんだけど。

ちょっとオチがあざとく見えた作品。「凶器」が「狂気」とかかってる確率50%。
by april_foop | 2006-05-15 00:00 | 文字
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