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感想/心とろかすような(文庫)
感想/心とろかすような(文庫)_d0055469_120286.jpgなんと「天使の卵」を映画化するそうです。市原隼人と小西真奈美。んー、微妙だなー。微妙といえばドラマ版「いま会い」の成宮&ミムラも。なんだかんだで、次のウェーブが来るまでは純愛ブームが続きそうな感じ。

久しぶりに宮部みゆきを読んだ。短編集「心とろかすような」。デビュー作の「パーフェクト・ブルー」を受ける形で、設定同じく元・警察犬マサを主人公にした蓮見探偵事務所の物語群。軽快なミステリー集です。

いや、さすがは宮部みゆき。短編なので、ミステリーの質、デプス自体はライトなものながら、すぐ隣りにある人間の業と社会の歪みを見事に浮き彫りにする手腕は他の追随を許さない(って断言できるほどの読書量じゃないんだけども)。しかも、あくまでマサの視点を貫くため、人間社会を俯瞰するような客観性がある。だから変なエゴを感じることもなく、読みすすめられる。

とにかくリズムが良く、巧みなプロットと丁寧な表現は圧巻。無駄がなくって、大事なところは端折らず、イントロで心を掴みつつ、クライマックスは潔い。鍛え上げられたアスリートみたいに過不足のない作品だ。

宮部作品ってかなりの数が映像化されてるけど、深〜い長編に手を出すよりは、こんな感じの短編を連ドラ方式でやると面白くなりそーなんだけどな。どうでしょーか、プロデューサー諸氏&宮部氏?
大極宮
by april_foop | 2005-06-30 00:00 | 文字
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