感想/あの空をおぼえてる
d0055469_1152292.jpgこれじゃぁ泣けないわー。『あの空をおぼえてる』4月26日公開。幸せに暮らす一家を末娘・絵里奈の交通事故死という悲劇が襲う。自責の念に苛まれる父親。身重の体を抱えながら悲しみに耐える母親。そして一緒に事故にあいながらも一命を取り留めた兄、英治。それぞれの胸に残る絵里奈は、いつも笑っていた。
映画『あの空をおぼえてる』公式サイト

すんごく静かな物語。全編にわたってほとんど音を入れずに家族の姿を描いていて、絵里奈の死を受け入れられない前半はもう暗いのなんの。バランスを失う家族の、言葉にならない痛々しさが滲み出てくるんだよねー。きっと、絵里奈の不在は、音を亡くすことと同義なことだったんだと思う。

愛する家族の死という痛みは十二分にわかる。んだけど、そこから再生していく過程にはやや説得力が足りなかった。遺された3人がそれぞれの立場で受け止めてくんだけど、視点がバラバラで、かといって全体を俯瞰していたわけでもなく、しっくり落ちてこなかったのが残念。確かに実際にそういう状況におかれたとき、それを乗り越えるときに大げさなドラマがあるはずもないだろうけど、その割にはターニングポイントを迎えた瞬間一気に急転化しすぎて置いてかれたわ。もう少し再生への心の動きは時間をかけてほしかったです。丁寧なのに核が見えんかったです。

家族以外の周辺キャラがいまひとつ機能的じゃなかったし、後半のストーリー展開はやけにステレオタイプだったのも気になるところ。死は確かに悲しいから、周囲で鼻を啜る音が聞こえるのはわかるんだけど、深みには欠けたわね。
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by april_foop | 2008-05-04 00:00 | 映像
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