狂気! 鬼畜! 暗黒! 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』4月26日公開。1900年台初頭、金塊掘りだったダニエル・プレーンヴューは、石油を掘り当て富を成す。そんな折、ある男が、石油の情報を持って現れた。情報を買ったダニエルは息子のHWを連れ、早速現地へ向かう。そこには確かに石油が眠っていた。地元で信仰を集める牧師イーライとの確執を深めながらも、地上げをはじめるダニエル。奇才ポール・トーマス・アンダーソンが富と権力に塗れた彼の腐敗した人生を壮大に描く。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド PTA監督大好きなオレですが、この超ダークサイドにはほとほと参ったぜ。なんとも筆舌に尽くし難いこの世界は、ホラーかと思うほどの狂気。ダニエルがオイルという名の黒い液体に塗れていく姿は、なんというか悪魔的! それをダニエル・デイ=ルイスがまたすんごい演技して魅せちゃうの。後半の物怪っぷりはこの世のものとは思えないほど! そもそもこの男には悪魔が宿っていたのか。それとも富と権力が彼を狂わせたのか。人間の奥底にこんな暗闇が潜んでいるのかと思うと、身悶えするわ。 それに対するポール・ダノ演じるイーライもヤバイ。牧師でありながら、そこには無垢さがまったく感じられず、常に嫉妬と欲望の陰が見え隠れ。ダニエルと同じドス黒い血を感じさせるんだよね。そしてそれらを包み込むロケーション。荒涼とした大地に緊張させる音楽、そして沸き上がる真っ黒な濁流! 燃え盛る業火!! 天の裁きか、悪魔の咆哮か、っつー世界には畏怖の念すら覚えますわ。 決してこんなのを期待していたわけじゃないけど、心の奥底にズサリと侵食してくるPTAワールド。絶対に娯楽としては観られないけど、いやはやスゴかったです。くわばら、くわばら。 そして『ブギー・ナイツ』をDVD鑑賞。ポルノ映画のスタッフたちを抜き出した群像劇。性を売り物にした特殊な世界でも、そこにかかわる人たちに流れてるのはごく一般的な感情なんだよね。「ひとつくらい取り柄があるはず」「消費されるものではなくて長く残るものを作りたい」「子供に会いたい」などなど、夢、希望、嫉妬、欲望、被差別、劣等感などなど。 長いんだけど、なぜか目が離せないのがPTAの手腕か。これといった盛り上がりも、特別なオチもないんだけど、観終わって不思議と少し気分がよくなるようなね。オープニングとエンディング、ワンカットでシーンをつなぐという演出もなんだか印象的だったっス。
by april_foop
| 2008-04-26 00:00
| 映像
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