感想/パンズ・ラビリンス(試写)
d0055469_23213491.jpgダークファンタジー。いや、ダークリアル?? 『パンズ・ラビリンス』10月6日公開。1944年スペイン。オフェリアは、臨月を迎えた母の再婚相手である大尉の元に越してくる。内戦と独裁的な大尉、そして日に日に体調が悪化する母。辛い日々の中オフェリアは妖精の姿を見つけ、不思議な迷宮へ。そこで"あなたは地底の魔法の国の王女である"と告げられ、それを証明するための3つの試練を与えられる。現実とファンタジーが交錯する中でオフェリアが観たものは。
PAN'S LABYRINTH パンズ・ラビリンス

いやー聞いてた以上に超ダーク! ファンタジー編は思ってたより少なめで、ポイントポイントでしか出てこない。ただ、少ない時間ながらそれがまたいちいちグロつーか、生々しいというか、粘液ドロドロクリーチャー系でけっこう鮮烈なインパクト。ちょっと引くくらい。オフェリアちゃん、夢見る少女なのによくあれに耐えたよ。誉め讃えたいよ。がしかし!

それは現実パートがそれ以上にダークだから。憎たらしい大尉と、劣勢のゲリラ軍と内通者の裏切り。この時代ならではの残酷な現実を年端のいかない子供にどこまでも突きつけてくる。人はばんばん死ぬし、映像もダウナーだし、滅入るんだわこれが。オフェリアにとってはこの現実よりも、恐怖ファンタジーの方が救いがあったと思うと遣る瀬ないぜ。"この現実は仮初めの世界。だってあたしは魔法の国のプリンセスだもの"

オフェリアが抗えない過酷な現実を前に、どんなにダークだろうとまだ対抗し得るファンタジーの試練に逃げ込むという設定がすごい。うっかりミスで追い詰められちゃったり、大尉の手で握りつぶされる不条理さがあったり、ファンタジーのくせにシビアな現実を知らしめる。そして、最後には試練を乗り越え現実(これまた強烈にシビア!)に帰ってくるオフェリア。このリアルとファンタジーのバランスはかなり絶妙で、解釈の多様性を生んでくれたわ。このファンタジーが実在する世界なのか、オフェリアの幻想なのか。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。いずれにしても衝撃の結末。最後まで気を許せないちょっとスゴイ映画です。

とはいえ、とにかく暗い、暗過ぎる! ので面白さとは裏腹にどうしても好きになれず。デプスとメタファーがあってかなり味わい深いけど、こりゃうかつには愛せないわー。
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by april_foop | 2007-08-30 00:00 | 映像
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