4分間の戦慄!!!! 『4分間のピアニスト』11月10日公開。老ピアノ女教師クリューガーは、刑務所で天才少女ジェニーと出逢う。傑出したピアノの才能を持ちながら、周囲に敵意を剥き出しにするジェニー。クリューガーもまた過去に秘密を持ち、2つの孤独で異質な魂はぶつかり合い、そして寄り添い始めたとき…。
映画『4分間のピアニスト』公式サイト 大興奮して久しぶりに二度観しちゃったヨ! 秋の音楽映画の本命として、いや今年一年通しても上位に推薦したい本作。とにかく素晴らしく心を捉えるラスト4分間! これだけでも一見の価値あるし、全体通して完成度バカ高。無茶苦茶かっこいい! 主演のハンナーは情緒不安定系天才のジェニーを大熱演。傍若無人な振る舞いも、ほとばしる才能とその青い瞳のチカラに引き込まれずにはいられまへん。感情をコントロールできず、なにも信じられないことからくるやり場の無いその衝動と焦燥。この危なっかしさに心を囚われるんだな。もう最高に魅力的な天才キャラ。 一方で胸を痛くさせるのが過去に想いを残したまま生きるクリューガー。彼女の言葉は、徐々に明らかになる過去と共にドラマを単なるピアノ物語にしないだけのデプスと示唆を与えてくれる。音楽に生きることでしか過去を直視できないその痛み。ジェニーのどこかに忌まわしい記憶を重ねてしまう哀しみ。過去の足枷によって割り切れない未来。このクリューガーの葛藤が、人生の無常を煽るのなんの。モニカの熟練演技はハンナー以上に味わい深くて痺れるぜ。で、この中盤の重さもラストの大スパークの布石! オープニングから大いに音を意識させる作りで、足音や息づかい、効果音、BGM、そしてもちろんピアノ旋律までめちゃくちゃカッコイイ。しかも映像とのマッチングが超絶センスよく、これ以上ないバランスでストーリーを展開。画で話を転がすところは音が脇に回り、旋律によって人間ドラマを奏でる(これがキモ!)ときにはカメラがそれをサポート。アクセントの付け方が抜群にうまく、ピアノ演奏、クリューガーの回想、ジェニーの暴走というポイントを使った緩急が卓越しすぎ。ドラマを壊さないこのプロットは、さながら映画全体が1つの名曲そして名演奏のよう。 エンディングのジェニーは、彼女の運命そのものを示唆する立ち姿で、まさしく命を放射しきった瞬間。心から微笑むクリューガー。不敵なお辞儀を返すジェニー。クライマックスからの一連の演出は素晴らしかった!! 不遇の天才に感動するというよりは、そのスペシャルな格好良さにとことん惚れてよ! いやはや、絶品でした。 この作品、コミックの『昴』に似た匂い。…かなり蛇足だけど『昴』を蒼井優で撮ったらめちゃくちゃ面白そうだなー。 <11月6日追記> と思ったら『昴』すでに映画化決まってるのか…。Araと黒木メイサだって。香港合作、リー・チーガイ監督、ワーナー配給。あらららら。
by april_foop
| 2007-10-04 00:00
| 映像
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