感想/こわれゆく世界の中で(試写)
d0055469_829613.jpg春のジュード・ロウ祭ファイナル『こわれゆく世界の中で』4月21日公開。精神のバランスを崩した娘を持つ恋人リヴと10年同棲する建築家ウィル。都市再開発プロジェクトを抱え新たなオフィスを構えるが、窃盗団の侵入を許す。犯人の少年を追ったウィルは、やがてその母親アミラと出会う。
こわれゆく世界の中で

けっこう好きー、この映画。明確な答えのないメタファーじみた作品だけど、そこかしこにいろんな含みを持たせた種がまかれてて思わず思考を巡らせちゃうわ。テーマは多分原題にも入ってる「breaking」で、いろいろなものを破壊するシーンが盛り込まれる。ガラスを割るような直接的なものから、都市の再開発みたいな比喩的なもの、そして恋人との溝のような目には映らないものまで。その破壊の先に、人間関係のひとつの本質みたいなのが見えてくるの。

何かを獲得しようと思ったら、きっと何かを壊さなくてはならない。それは2人の間にある距離かもしれないし、過去のトラウマかもしれないし、防犯セキュリティかもしれない。壊すべきものを間違えれば、それだけ何かを失うことになるし、何も壊すことなく何かを手に入れることはできないのだ。ということがいろんなアプローチで描かれてる。このあたりの演出もセンスありありで、巧み〜。

ジュード・ロウは社会的成功者の役で当然カッコよろしいけど、実はウィルってばけっこうダメンズ。やけに唐突にアミラに惹かれたりもしちゃう。でもそれが人間の愚かさみたいなのを象徴してる気がするし、壊れっぱなしなわけじゃなく、その中で新たに生まれてくるものもあるあたりが良かったよね。ラストの展開とかもいい終わり方だったと思うわ。

若干、観る人を選ぶ映画だと思うけど、なかなか心に染みました。邦題がちょいダサイのがタマニキズね。
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by april_foop | 2007-03-28 00:00 | 映像
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