感想/クィーン(試写)
d0055469_1850381.jpg女王vsプリンセスのブルジョア対決!? 『クィーン』4月14日公開。1997年8月、世界的プリンセス・ダイアナが事故死した。事件に対して沈黙を守る女王と王室。英国民がその対応に不信を募らせるのを見た首相ブレア。イギリス全土が混乱する中、変わらずに「女王」を全うしたエリザベスの姿を描き出す。
クィーン THE QUEEN

王室周辺だけにとっても上品で、ダイアナ関連のニュース映像を挟み込みながら(『ボビー』的ね)、女王の心を間接的に描き出す。冒頭で「自分の意見を表明したい」というクイーンの言葉があり、それはまさにダイアナの対極にある心理。決して2人の確執を描くことはないけれど、相容れない価値観を示唆する作りは巧みだな〜。女王として生きるある種の壮絶さを、それと感じさせない演出で魅せてくれます。

本年度オスカー女優ヘレン・ミレンは、あくまで冷静な女王の振る舞い。苦悩ともまた違う、宿命という言葉を思い起こさせる。決して多くない表情の動きと、ポツリポツリ口にする言葉の端々から、"職務"としての女王、"人間"としてのエリザベスを表現。ブレアの立ち回り方とあわせたキャラの描き方もうまくって、ドラマ仕立てで騒ぎ立てることなく、女王陛下のパーソナリティに観客を引き込む。この、さりげないけど本質を捉えた感覚は『マリー・アントワネット』や『太陽』とも似てるなー。

これが王室の真実かどうかはわからんけど、常に大衆の前に立たなくてはならない女王陛下という運命の重さを感じる静粛なる秀作。なかなかいろんな観どころのあるヒューマンドラマでした。ブレアの家、やけに庶民的じゃなかった?

そしてひとつご相談。鹿のエピソード。オレは撃たれた鹿に、ダイアナを重ねたように思ったんだけどどうでしょう?(エリザベスと鹿=国民とダイアナという相関) それとも自身を重ねたのかな?
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by april_foop | 2007-03-12 00:00 | 映像
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