凛子フィーバーひと段落で、なんだか忘れられそうだけどTHEパーフェクトだよ『バベル』4月28日公開。モロッコで起きた発砲事件。撃たれたのはアメリカ人女性。モロッコ、アメリカ、メキシコ、そして日本。1発の銃弾が世界中の壁に、バベルの塔に、風穴を開ける。脳みそブチ抜かれる大傑作!
バベル 「ミスコミュニケーション」が主題として横たわり、その象徴としての「バベルの塔」。このメッセージが間接的ながら劇的に、鮮烈に、全編を通して響き渡る。観てからふた月くらい経っているけどいまだに消えない衝撃。ダメージといってもいい。オレが感じたのは、世界には誰の耳にも届かない"HELP!"があふれ返っている、ということ。スクリーンに映し出された"HELP"の数は限られているけど、その向こうに無限の"HELP"が透けて見える。 コミュニケーション、つまり人間同士のリンク、を阻害する壁。言語、人種、偏見、劣等感、不信、孤独。哀しいほどすれ違い、思いは届かないまま空を切る。しんどいといえばしんどい。けれど、決して現実を悲観して終わらない。この映画は、人と人は繋がることができるはずだ、という強い確信をもって描かれてるから、希望をもって席を立てるのだ。 凛子バブルはともかく、役者のみならず映画的な要素を褒めだしたらキリがないくらい、どことっても見事。隙、皆無。エンターテインメントではないけれど、今年最高の1本つっても過言じゃないな。ぜひ『バベル』からのメッセージをお観逃しなく、そしてすぐ隣をさまよう「HELP」をお聴き逃しなく。 イニャリトゥ監督つながりで『21グラム』をDVDにて。時制をあえてバラバラにちらして、ラストのメッセージに集約させる、って、これも相当イカス。無限にくりかえされる始まりと終わり、すなわち「life goes on」てのは、オレん中にもあるテーマだからめちゃくちゃ響いた。どうやら完璧にツボの監督だわ。カッコよすぎ。長編デビュー作も観たいな。 [21グラム]
by april_foop
| 2007-03-24 00:00
| 映像
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