感想/善き人のためのソナタ(試写)
d0055469_05915.jpg壁があった頃の東ドイツを舞台にした社会派ドラマ。これは興味深い力作! 『善き人のためのソナタ』2月10日公開。劇作家ドライマンは、反体制の疑いをかけられ、国家組織シュタージによって監視されることになった。四六時中彼を盗聴するのはヴィースラー。監視されてることに気がつかないままドライマンは、東ドイツの伏せられた真実を告発する原稿の執筆を計画し、それはヴィースラーに盗聴されるのだった。
善き人のためのソナタ

盗聴にしろなんにしろ、他人の生活を覗き見すんのってドキドキすんだよなー。とか軽いノリで観るのはちと不謹慎かもしんない濃密重厚ドラマで、東ドイツってゆー馴染みの薄い世界と、スリリングな展開が合致。序盤は脳内で相関図を作るのに苦労したけど気がつけば目が離せず。何も知らず盗聴される人と、盗聴する人、その盗聴を指示する人、それらを俯瞰できちゃうという観客の醍醐味が存分に味わえる絶妙プロット。

自分のまったく知らない価値観に触れて変化していくヴィースラーの描き方が秀逸で、その他登場人物もしっかりと掘り下げられてるから、ひとつひとつのドラマに噛みごたえがあっておもしろい。ヴィースラーのさじ加減で変わっていく先の読めない展開に、後半は空気が張りつめっぱなし。で、最後の最後に用意される救いが効果的に弛緩させてくれます。いやいやお見事! 東欧独特のダークさはあるものの(国家権力怖すぎ!)、あらゆる面でハイレベル。満足、満足。

ちなみに奇しくも同じ盗聴ネタのB級邦画が同日公開なので、これは明日レビュります。緊迫感は雲泥の差なれどこれはこれでオモロイっす。
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by april_foop | 2007-01-28 00:00 | 映像
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