『ロープ』をつたって野田地図へ
d0055469_21293253.jpg野田秀樹・作演出の舞台『ロープ』を鑑賞@Bunkamuraシアターコクーン。舞台素人のボクですから、もちろん初めての野田作品。出演は宮沢りえ、藤原竜也、渡辺えり子、宇梶剛士、橋本じゅん、三宅弘城ほか。
野田地図

公演もあと少しだし、ネタバレ全開モードで。とあるマイナープロレス団体。ヘラクレス信長(藤原)は、ひきこもりレスラー。プロレスに八百長なんてないと信じてる。そしてリングの下に棲む自称未来からきたコロボックル(宮沢)。実況を得意として人間の力をアナウンスする。そこに現れたケーブルTVの撮影クルー(渡辺、野田、三宅)。彼らは八百長プロレスを隠し撮りしようとする。

前半は完全ドタバタコメディ。でも笑いのネタはパっとしないから10のうち1〜2笑える程度(ただし中年女性はかなり爆笑。要はそういう感じ)。ややシエスタ気味になったけど、実はそこかしこにたくさんの布石。いかん、もっと集中しておけば…! 後半は一転シリアスモード。前半の布石を受けてさまざまな社会的疑問をぶつけてくる。あまりの急転ぶりにびっくり。展開力がすばらしく、弛緩→緊張→弛緩と観客を巻き込む演出力はスゴイ。

とっかかりはプロレスの八百長。仕組まれたストーリーを演じることに疑問を感じないのか、という始まり。マスクマンはマスクをかぶれば別人になれるのか。演じているだけなら自分に責任はないのか。自分のためなら他者の犠牲は厭わないのか。敵という属性なら、顔を知らない相手なら、誰であれ打ちのめしていいのか。今、目の前のリアルを知らない人間の言いなりにどうしてなれるのか。という具合に、最終的には戦争にまで話が及んじゃったよ。「ロープ」はリングの内外を分かつことに引っ掛けた境界線のメタファー。いやはや、とことん硬派。

両主演、とても生き生きと演じていてすごくよかった。宮沢りえはとてもキレイで芝居も堂々たるもの。手がやたら長いのが印象的。藤原竜也もレスラーにしては筋肉が足りなかったこと以外は満点の出来。その他ベテラン陣はいうまでもないね。渡辺えり子、素敵すぎます。

貴重な舞台を拝見させてもらいました。問いかけるだけ問いかけて、最終的な結論が観客に委ねられたのはちょっと残念だけど、面白かったです。経験値少ないので比較はできませんが、観てよかった。今公演は1月31日まで。立ち見席のみ当日券あるようなので、ご興味のある方はゼヒ!
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by april_foop | 2007-01-24 00:00 | 閑話
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