【ソフィアを巡る波】 ヴァージン・スーサイズ/ロスト・イン・トランスレーション(ともにDVD)
d0055469_16165996.gif観たいと思いながらも観られなかった、ソフィア・コッポラの前2作をようやく&いまさら観賞。

『ヴァージン・スーサイズ』
「先生は13歳の女の子じゃないでしょ」のひと言に尽きるな。少女たちの小さいけれどそれはそれで完結してる世界。完結してるけどもちろん不完全。だからふとしたはずみで大きく揺れ動き、吹き飛ばされ、そして簡単に弾け飛ぶ。話のほとんどが四女ラックスに集中したのはもったいない気もしたけど、彼女たちの気持ちは彼女たちにしかわからない、ってことを描いたんだから、これでいいのか。いやー、キルスティンのコギャル風味の生意気なツラにそそられるよね。そしてこの時のジョシュ君は今観るとキモイ。何はともあれ着眼点にセンスありあり。映画としては、まあまあ。

d0055469_1617127.gif『ロスト・イン・トランスレーション』
ソフィアの作品を評して「孤独な女性を描く」という表現を見かけるけど、多分ちょっと違う。そこにあるのは「孤」じゃなくて「個」。この作品は、東京という異国ですれ違った中年男と若い女性の交流を通して、人はどこまでいっても個である哀しさ、と同時に個と個が擦れ合う優しさを描き出す。この2人、決して満たされていないわけではないのに、どこか空虚さを抱えながら生きているのは、人間はどこまでいっても個体でしかいられないからなんだろう。

女性監督ならではというか、フォトグラファーっぽいカットが印象に残る。そして今作でも「女の子はみんな写真に夢中になる」というひと言が象徴的。タイトルも示唆に富んでて、異国言語間はもちろん個々のコミュニケーション間で、言葉というものを通すことで損なわれてくものが少なからずある、ってことを表現。FAXが多く出てくるのもその暗喩だろーな。伝えようとして零れ落ちるもの。熱い感動はないけど後を引く映画で、微熱がずっと続く感じ。すごくイイ。完成度高い。スカーレットの背は、思ってたより高くない。

この2作から『マリー・アントワネット』にきたのかぁ、とようやくオレん中でしっかりと繋がった。ソフィアの世界観、すごく好みだわー。メッセージ性はもちろん、小道具の使い方とかがもろにツボ。画もキレイ。なのに! しばらくは子育てだろーから新作が拝めるのは相当先だろーね。ああ、ざむねむだ!
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by april_foop | 2007-01-04 00:00 | 映像
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