『サマリア』と『弓』しか観てないのに、あっちゅー間にオレの心を掴んだキム・ギドク監督。もっと知りたい!と思ってDVD3連打!!!
『春夏秋冬そして春』 静かで静かで美しい世界。和尚と坊、2人ベースの世界に四季をひっかけて人の生涯、ひいては運命みたいなものまで炙り出す。最小限に抑えたセリフで、人間の業まで描いちゃったよ。「欲望は執着を生み、殺意に変わる」というセリフは、かなり乱暴だけど本質を捉えてる。ギドクってもっと激情を描くタイプと思っていたら、ちょっと出し抜かれた感あり。たけしの『Dolls』に近い抽象的な作品で解釈の難しさはあるけど、四季が織り成す映像は見事。周りを閉ざされている設定は『弓』ともちょっと繋がってくる一作だなー。 『悪い男』 かなり荒粗しくやたらバイオレンスな異端恋愛モノ。最後手前まではさっぱり圏外。解釈困難なとこ多いし、無茶苦茶な設定も数知れず。だけど、ラストでようやくすべてが結びついて、一応の納得はできたってところ。そのラストにしても、写真が未来を予見していたファンタジーと捉えるのか、過去の現実の思い出として捉えるのかで分かれそう。オレは後者で理解したけど、前者でもいいような気がしてきた。そして主演の「悪い男」はほっとんどセリフなし。ビンタと鉄拳が炸裂しまくりです。。 『うつせみ』 留守宅を渡り歩いて生活する男、その道連れとなる女。現実のすぐ隣においてる設定なのに、すべてが異次元的。人間に視えるのは180度、つまり半分だけ。そしてすべては表裏一体であるということがいいたいのでしょう。光と影、夢と現、真と偽。そんな世界で紡がれる奇妙なラブストーリーは、素晴らしいオチのおかげで一種の神秘性まで持っちゃったよ。ここでも2人の主人公は、ヒロインが最後にふた言喋る以外は無言。セリフの中身に意味はなく、喋ったっていう事実のみが重要。そういう使い方もできるのか。メタファーじみたモチーフも多く、無限の解釈が生まれそうで、これはまんまと掴まれたなぁ。スゴイよ。 この人、映画監督つーより、映像作家ね。クレイジーな設定(驚異の発想力!)と、イビツな愛を通して、俗世の根底に"あるようなもの"を掘り起こす。それが核心をついてるんだなー。一般ウケしなくとも、オレは超好み。本当は個々の作品をもっと掘り下げたいところだけど(特に『うつせみ』)、旧作だしこのへんまでで。 やっぱりスゴイ人ってことを実感。まだまだ楽しませてほしいキム・ギドク。引退発言の顛末はどうなったんだ!?
by april_foop
| 2007-01-03 00:00
| 映像
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