感想/弓(試写)
d0055469_1242438.jpg甘ちょろラブだけが韓国映画にあらず、と思わせる秀作その2! 奇才キム・ギドク監督最新作『弓』は独特の美しさを撒き散らして9月9日公開。狂気なのに耽美的な快作だ〜!!  
キム・ギドク監督最新作『弓』公式サイト

海原に浮かぶ船の上で生活する老人と少女。密室といっていい船上で、老人は少女を溺愛して彼女の17歳の誕生日に結婚する気満々。船の上の世界しか知らない少女にとっては老人こそがすべてで絶対。ところが、少女が釣り客の青年に恋をしたことで完結していた世界に歪みが生じる。決定的に何かが欠落した少女と、妄執的な愛情を注ぐ老人の愛の形を、パンピー青年をだしに炙り出す。タイトルになってる「弓」は武器であり楽器であり、少女と老人を繋ぐ絆だった。

すんごいセンセーショナル。。なんせ主役2人セリフなし。アブノーマルな背景とかも一切説明なし。その環境から心情からすべて想像するしかないんだけど、十分それを助けてくれる演技と演出で、まんまとのめりこんじまった。すげーよ。こえーよ。『サマリア』にも出てたハン・ヨルム、汚れなさと妖しさをあわせもつ見事な艶技。

愛の物語と言っていいのか、生き方の話なのか、人の絆を描いているのか。ギドク本人の言葉では「私は弓のように最後までぴんと張って生きたい」とかなんとか。老人にとって少女を失った生活なんて弦の切れた弓に等しかったってことか。形はどうであれ、生き甲斐をもって生きるということ、そしてそれを無くす事は死に等しいということを感じました。哲学性のたっぷり詰まった今作のクライマックスは奇跡的に純潔かつ淫靡! こんなの観たこと無い! 絶対絶対絶対必見のシーン!!!

色調の美しさやセリフのなさはたけしの『Dolls』を思い出させたけど、あれより断然響くものがあって、ギドクが放った矢が心に深く刺さりました。侮れませんなぁ、韓国その2!!
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by april_foop | 2006-08-26 00:00 | 映像
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