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感想/トランスアメリカ(試写)
感想/トランスアメリカ(試写)_d0055469_91223.jpg『デス妻』女優フェリシティ渾身の傑作。なんと性同一性障害の男性役を"可憐に"演じ切った。これはオススメしたい『トランスアメリカ』7月22日公開!! 観て観て!
トランスアメリカ/TRANSAMERICA

LAで暮らすブリーは、いよいよ最後の手術で肉体的にも完全に女性になる日が近づいていた。そこへ舞い込んできた、とある17歳の少年トビーがNYで捕まったという話。なんとこの少年、ブリーがまだ男性だったころにできた実の息子だった。少年は男娼として荒んだ生活をしており、見かねたブリーは身分を偽って彼を保釈する。そしてLAに向かって微妙で複雑な2人旅が始まる。

なんて優しくて切ないロードムービーなのかしら! 父親でありながら、ブリーが少年と接するうちに見出すのは母性。もちろんそんなこた言えない。そうこうしてたら実は男ってバレて、トビーはどん引き。でも旅を道連れする中で再び信頼をゲット。でもやっぱり最後には"実はあんたのパパよ"っつー最大のタブーが立ちはだかる。いろんな葛藤を抱え、自らの生き方を恥じることはなくともトビーを傷つけたくないからこそ言えない真実、そして真実を言わないというトビーに対するある種の裏切り、この狭間で揺れるブリーの切なさったらないわよ!

この映画のいいところは、こんなアブノーマルな関係なのに、すごく穏やかで温かいところ。柔らかい笑いを散りばめ全然湿っぽくない。ブリーは手術じゃなくって、トビーという息子を持つことで"女性"として完成されてくし、トビーはイイコトなし人生の中で初めて守護者を得る。そもそも親子なんだから当然の関係性なんだけど、血縁じゃなく他人として得た関係だってこと(孫の溺愛はその対比)、そして性別も背景も乗り越え相手の本質を理解することで結びついた信頼だってことに胸を打たれたっつーの。

トビー役のケヴィン・セガーズ、相当イケメンなのでマストチェキ。フープの今夏本命は、スパイより海賊よりジブリより『トランスアメリカ』と『ハチクロ』で決まりっ!
by april_foop | 2006-07-18 00:00 | 映像
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