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感想/探偵ガリレオ(文庫)、予知夢(文庫)
感想/探偵ガリレオ(文庫)、予知夢(文庫)_d0055469_135582.jpg感想/探偵ガリレオ(文庫)、予知夢(文庫)_d0055469_1456.jpg『探偵ガリレオ』&『予知夢』をあわせてドン。東野圭吾特有の科学知識を発揮した短編集。

『容疑者xの献身』に登場する物理学者の湯川はここから生まれてたのねー。後から知ったぜ。てことで、ガリレオこと天才助教授が、友人の刑事が抱える難事件に挑む連作短編集。二冊とも基本スタイルはまったく同じ。とってもよくできてて超速で読了しました。

『探偵ガリレオ』は謎の発火、デスマスク、幽体離脱など超常現象と思しき怪現象を科学によってキレイに解き明かす。これに対して、『予知夢』はよりオカルト要素が強くなってて、100%科学とは割り切れない……のか!?的仕掛け。事件解決後の余韻に工夫が凝らされていて、科学と、相反する超自然現象とを共鳴させてるところがミソ。はっきりいってどちらもチンプンカンプンな単語頻出ながら、逆にそれが知的好奇心を刺激して面白い。

ただ、この二作におけるガリレオ先生は、ただの解決屋。あらゆる怪事件を明晰な頭脳でスパっと解決してくれるけど、それ以上でも以下でもない謎解きマシン。科学用語を語らせるためだけに用意されたキャラなのよね。あらゆる事件をこの先生に頼んだ方がいいのでは?という。こっから『容疑者xの献身』に化けたと思うといろいろと感慨深いねー。それは置いといても、かなり優れた短編集でした。秀作です。
by april_foop | 2006-06-10 00:00 | 文字
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