感想/嫌われ松子の一生(試写)
d0055469_2355211.gif『下妻物語』でその名を知らしめた中島哲也監督の新作『嫌われ松子の一生』。5月27日いよいよ公開! これ必見!!
嫌われ松子の一生

最高に不運で不憫で不器用な女、川尻松子の一生を紐解くお話。親の愛を得るために心を砕くも受け入れられない。教師になって生徒をかばえばド裏目。男に惚れれば騙され裏切られ捨てられる。延々これの繰り返し。という超のつく転落人生。その歴史は悲惨の一言。実際に原作も相当滅入る系らしい(未読)。

しかし、これをブラックユーモアに変え、ミュージカル要素を持ち込み、さらにはそこに普遍的な人間愛を見出した中島監督。テンションの抑揚、暗と艶の入り交じるトーン、レトロ感ある音楽。どれもセンスいいわー。第三者視点で松子を俯瞰したのもナイス。主演の中谷美紀はその起用に応える見事な芝居。見直した。ものすごーく見直した。現場は半端なく容赦なく厳しかったらしい。ダメ出され罵倒され人でなし級の言われようで、メチャメチャ苦しかったそうな。しかし、その苦労は完璧に報われてます。

実は笑えるシーンは少しだけで、かなりウェット&ダウナー。非コメディ。でも後味悪くない。何だろう、すごく打たれる。やけに惹かれる。娯楽性が強いわけでもないし、泣ける話でもないし、示唆に富んでるでもない。のに、なんだこの本能的な余韻は! 松子が持ち続けたもの。愛されたい、必要とされたい、って想い。何度痛い目を見てもやっぱり拠り所となる誰かを求めずにはいられないその姿は、ごく自然に共感できるし、悲惨でしかない人生すらも純粋で美しいものに見せてしまった中島哲也監督の辣腕に脱帽。マジでイカス。ザ・カタルシス。

次から次へと登場する豪華なチョイ役たちも話題作りに一役買ってるけど、それはほんのオマケ。どんくらい大衆ウケするかわからんけど、面白かった。面白いじゃ語弊あるかな? とにかくスゴイ作品。一人では生きられない人に猛プッシュしたい1本なりよ!
[PR]
by april_foop | 2006-05-24 00:00 | 映像
<< 上野樹里に見るステイハングリー 美食百花 dish05 >>