感想/間宮兄弟(試写)
d0055469_23942.jpg江國香織のヒット小説の映画化。5月13日公開(20日だと思ってたぜ)『間宮兄弟』。森田芳光監督。原作が面白かったので映画も観てきたっス。
出演は佐々木蔵之介、塚地(ドランクドラゴン)、常磐貴子、沢尻エリカ、北川景子、中島みゆき、戸田菜穂、佐藤隆太など。そそるキャスト。なんだけど、常磐、沢尻、北川は3人ともスターダスト所属。見えないチカラだ。今に始まったことじゃないけど。
基本ストーリーはコチラで(手前ミソ)。
映画『間宮兄弟』

話の筋は原作にかなり忠実。オリジナルのイメージよりも兄弟がやや一般的に見えた以外では、葛原依子のキャラとエピソードが随分変わってたくらい。そのへん踏まえて、全般をコメディにふった感じ。結果、笑えるところと滑り気味なところが半々。無理に狙わなくても、間の取り方だけで笑い取れる気がするけど、これはこれで悪くないか。塚地のお芝居がどーしてもコントっぽいのは、しゃあなしね。ちなみに相方の鈴木(なぜか見てるだけでちょっと笑える)もチョイ出演。

しっかし沢尻エリカと北川景子(STモデルとは知らなんだ)、抜群にカワイイ。「だって間宮兄弟を見てごらんよ」の決め台詞、気持ち良かったっス。なのにオレの大好きな直美の変化には触れられてなくってがっかり。あそこがクライマックス(超私的持論)なのになー!

コメディ寄りにしてるから原作の持つチクリと痛いムード(個人的にはそこを絵にしてほしかったの)が消されて全体的にポジティブタッチになったけど、ちょっと自分を省みちゃう感じや、みんながほんの少しハッピーになる雰囲気は出せてるので、感触は悪くない。原作未読のほうが先入観なく観られて楽しめるかもかも。

<5月12日長々と追記>
お茶を濁してた部分を早速追記。

お互いに対して壁も秘密も作らず、すべてが開けっ広げな兄弟。他者に対しても、全開でこそないけど、かなりオープン。このナチュラルさは、オレらが普段、自分の気持ちに忠実でいられないことの逆の意味での象徴だったりするわけで。

夕美の精神性はもっとも兄弟に近く、だからこそ自然に「間宮兄弟を見てごらんよ」と言えちゃう。痛いな、って思うのは夕美もいずれ直美になり、そして依子になっていくってこと。依子が直美に対して「これから全部経験していくんだ」とするのはまさにこれを示唆する描写でしょ。で、もう一つ痛いのは、この女性3人はオレら読者そのものであるってこと。

でも、直美は兄弟に触れた事で、少し変わる。ほーんのちょっとだけ兄弟に近づく。その変化がツボだった。てか感情移入できた。この心の動きこそが原作最大の魅力で、風変わりな兄弟を使って、ごくフツーの感情を浮き上がらせたってのがすごく上手いと思ったんだよね。

映画では心理描写よりも間宮兄弟というキャラクターの面白さと、彼らの持つ素朴な幸福感に重きが置かれたように思えて、正直、期待ハズレだった。ま、オレが原作に対して持っていたイメージがあるからだよね。作品自体が駄作だとは決して思わないので、そこんとこよろしくー。
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by april_foop | 2006-05-11 00:00 | 映像
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