東野圭吾「ブルータスの心臓」。氏の作品の中でもあんま有名じゃないのかな? ってことで期待値低めだったけどカナーリおもろかったよ、と。
出だしにロボットが登場する時点ですでに東野臭全開。この段階ですでに引き込まれてる自分。屈折したエリート主人公・末永も、いかにも作者が好きそうなキャラ。で、こいつがある殺人計画の一端を担うことに。が、計画は意外な破綻を迎えつつ展開し、第二、第三の殺人が引き起こされる、って感じの本格派ミステリ。 このお話、殺人の共犯者である末永自身が、自らの保身のために不可解な事件の謎解きをしていくという構成が面白い。犯人であり探偵役。いまどきそんなに珍しくもないか。でも面白い。主人公でありながら大義名分なし。あるのは利己主義のみ。そんなシニカルな設定の中に、人間と機械のあり方、生まれながらの階級や身分の違い、エリートと非エリート、といったさまざまな要素を思わせぶりに絡み合わせる手腕はお見事。社会派ミステリ作家らしい仕上がりですわ。 ラストシーンは皮肉たっぷり強烈なインパクト。すべてが終わった後を想像すると胸が痛いですが、一気に読める秀作でした。アッパレ。
by april_foop
| 2006-02-15 00:00
| 文字
|
エントリ&リンクス
【インフォメーション】
5/21より無期限活動休止中 タグ
外国映画(276)
日本映画(162) 書籍(131) バスケ(66) イベント&スポット(66) 東野圭吾(61) ドラマ(43) ライブ(38) 雑誌(30) 蒼井優(29) 音楽(25) タレント(22) ボード(20) RUN(19) 野球(18) サッカー(16) 写真(16) アパレル(10) EQ(9) カテゴリ
以前の記事
2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2002年 12月 2001年 12月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||