感想/白夜行(文庫)
d0055469_23593935.jpg東野圭吾「白夜行」。迷った末に読破。原作読まないほうがドラマを楽しめるかとも思ったけど、ドラマが駄作だった時、オチを知りながら原作を読むのはいたたまれないと思ったので、やはり原作を先に読む事に。文庫で1000円オーバーとは思ってなかったぜ。

超大作。けど、ドカーンと盛り上がってくわけじゃなく、徐々に徐々に深みにハマって抜けられなくなるような感覚。読めば読む程、頭冴えてく感じがした。文庫にして850ページにも及ぶボリュームでありながらまったく破綻しないプロットは、いかにも東野圭吾先生らしく、主人公の主観を排除するという手法がこうもクールに決まるとは。出るのはため息ばかり。最後のほう、ページが少なくなってきて、あぁ、こりゃ謎は謎のままで終わるのか、と気づかされた時の歯痒さといったらもう!

そんなラストだけに余韻がめちゃめちゃ残る。桐原と雪穂が何を考えて、どこを目指してたのか考えるだけで、もう一本書けるでしょ。まだ東野作品の半分も読んでいないので、今作をどう位置づけていいかはわからないけど、噂に違わぬ傑作だった。こういう言い方はよく思われないかもしれないけど、宮部みゆきの「火車」と「理由」が合わさったようなテイストだね。「白夜行」が好きならこの両作も楽しめるんじゃないかと思うんですが、いかがか。

さて、問題のドラマ化だけど、原作を読んだ上でなお、期待しております。確かにキャストのイメージはしっくりこない。11話でまとまるのか、連ドラという性質に合うのか、っつー懸念もある。けど、原作をただトレースするんじゃないドラマオリジナルの魅力の出しようはある気がする。原作では主人公二人は輪郭でしか描かれないけど、ドラマでは間違いなくこの二人を中心に動くわけだから。脚本家の手腕が問われますな。ってことで調べたら森下佳子さんという方。ドラマ版セカチューや、映画版プラトニックセックスを手がけてる模様。どちらも見てないので何とも言えないや。

とにもかくにも素晴らしい作品。面白かった!
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by april_foop | 2006-01-09 00:00 | 文字
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